モリプロ。 旗揚げ公演 「改FEVER 〜眺め続けた展望の行方」
〜作・演出 森崎博之〜
観劇レポ <ストーリー編>
役名も明確じゃないくらい不確かな点が多いんですけど、
なら無理して書くな、と自分でも思うんですけど、
・・・まあいいじゃないかいいじゃないか、
FEVER祭りだヨイヨイヨイヨイッッ!!!(笑)
という訳で
「全然違うぞばかやろー」という突っ込みお待ちしてます。
FEVERは基本的に物語という感じではないので、
話の筋というのがあんまりないのです。
だからあらすじをどう書いていいものやら・・・。
それに原作FEVERをビデオで見尽くして台本を読みつくしているので、
「新しい物語に刺激を受けて勢いで思い出す」という事ができない(笑)
そんな訳なので、分かるか分からない全く謎のあらすじ説明、どうぞ。
--------------------
5月26日月曜日、午後7時過ぎ。
予定時間を少し過ぎて、舞台に出揃った5人。
下手より
河野真也・藤尾仁志・江田由紀浩・川井J竜輔・高橋逸人。
初日、客数はホールの半分という厳しいスタートを切った改FEVER。
楽日の今回、最後列まで席を埋める観客を
舞台に上がって初めて目にした5人は感動で固まり気味。
Jちゃんより上演前の注意事項。
「・・・本当にびっくりしました。」
満席の会場に素で驚くJちゃん。
「満身創痍です」。
お約束事の注意事項と、
スピーカーの近くで都合が悪い方はお申し付けください、と前説終了。
満席の観客に深々と礼を述べて、舞台は始まる。
--------------------
まずは「NACSのFEVER」から「モリプロのFEVER」へと
FEVERを自分達のものにするのだという決意表明コント!?
そして5人のタイトルコールで物語は始まる。
「改・フィーバー! 眺め続けた展望の行方!!」
--------------------
舞台はBSヤングバトルオーディション終了後の控え室。
今回出場した高校生5人組の様子。
ギターを抱えて落ち込むゴリ(高橋逸人。モリマネ入ってます)。
慰めるサンコン(藤尾仁志)。
「ピテカントロプス」とどうしても言えないランニング姿の太っちょ、タマ(河野真也)。
そこに朗報を持って現れるリーゼントの銀蝿<でも登場曲は嶋大輔>(川井J竜輔)とエディ(江田由紀浩)。
オーディションの手応えはイマ一だったものの、
審査委員長と偶然トイレで会った銀蝿が、
別のオーディションの応募用紙を手渡された。
浮き足立つ5人だが、そこには一つ問題が。
オーディションの日程は、
高校の合唱コンクールの日と被っている。
5人は「思い出作り」のために、
特にゴリは去年の雪辱のために、合唱コンクールに闘志を燃やしていた。
悩む5人。
エディ「どっちもいい思い出になるよ」。
一枚撮ろうや、とカメラを取り出す。
「オーディション残念記念」に、満面の笑みでカメラに収まる4人。
--------------------
夢を見ていたようだ。
目覚めた江田がいた場所は、
10数年後の川井の家。
久々に5人で会って川井の家で酒を酌み交わし、
酔いつぶれて昔の夢を見ていた。
現在、5人は30歳になっていた。
川井は仲間の知らないうちに立派な家持ちの妻子持ち。
葬儀屋の営業の仕事で頑張っている。
実は江田の勤める「むすこや葬祭」のライバル会社社員。
他の4人も転職を繰り返しながらも今あるポジションで頑張っている。
しかし今の自分に満足しているようには見える者は一人もいない。
自分が川井のライバルに当たると知られるのを恐れて
勢いで酔いつぶれた江田は再び夢を見る。
夢・・・ではなかったのかもしれない。
--------------------
ピンスポの中で「なんでもできた無敵時代」と、幼稚園児の頃を振り返り独白する江田。
突然現れた、「川井竜輔」と名乗るデカい園児。
遊ぼうとせがまれた江田は
十八番のハム太郎のモノマネを披露。(めちゃくちゃ可愛い。ハム太郎なのだ。はむはー!・笑)
「知らない。面白くない。それより仮面ライダーごっこしよう」
「アギトか?リュウキか?」
最新版の仮面ライダーにも反応しない園児。
「V3がいい!」
甘い声で懐かしのテーマソングを歌う園児。
この子は???
「つまんないから一人でTV観るー」とハクション大魔王をかけると
ハクション大魔王ゲームをしながら河野園児と藤尾園児が登場。
更に江田園児と川井園児登場。
次の遊びの相談から、
大きくなったら何になりたいか言い合う園児たち。
超合金ロボット、ヒーロー、やすきよ、プロ野球のサッカー選手、
無邪気な(一部不思議な)夢を何にも縛られる事なく口にする。
そこに体操のハヤトお兄さん登場。
昔懐かしい、おかあさんといっしょの体操のうた、「ぞうさんのあくび」を園児たちと踊る。
「手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、足、足、足、足、足、足、足、足、
手足手足手足、手足手足手足手足手足 てっていてきに て、あ、し!!」
次はおゆうぎ会の練習。
「おゆうぎ会でフィーバー!!」
「デビルマン」でダンス。
--------------------
次は小学校時代。
ピンスポの中で川井独白。
新しい世界へ飛び込んだ一年生は、いつの間にかランドセルを手提げカバンに持ち替えてなんとなく大人の世界を意識し始めていた。
舞台は学芸会を間近に控えた、放課後の6年2組の教室。
学芸会の練習をする4人。
責任感の強いスリムに制止されながら
ルービックキューブ・スネークキューブ攻略法、めまぐるしく変る天気と遊び、
学校の七不思議話で盛り上がる。
音楽室から聴こえてくるピアノの音色に恐怖して逃げ出す4人。
次の日の教室。
「将来の夢」というテーマの作文提出を川井先生がせかす。
女優、総理大臣などと大きな夢が並ぶ中、「北斗の拳」と書いて書き直しを迫られるスリム。
「・・・僕に言わせれば女優とか総理大臣のほうが非現実的だ。」
昔は冗談のような夢を口にしても何も言われなかった。
「先生」と書き直して褒められるスリム。
「でもこれは僕の夢じゃないんだ。」
周りがあなたは先生になったら、と口々に言うから僕は先生になるかもしれないけど、
それは僕の夢じゃない。
昨日聴いたピアノの音の話を告白しても、先生には信じてもらえない。
「いないと思ったらおばけなんていなくなる」
江田「サンタもヒーローも、自分が『いる』と信じてあげたらもっといてくれたのかもしれない」
先生「次は学芸会だ。」
6年2組はスリムが書いたコントで勝負。
「小学校最後の思い出に、学芸会でフィーバー!!」
スリムのコント。「面接試験」。
面接の待合室。
なんでも2回繰り返して話す太った人、しゃっくりが止まらず回数を数えている人、
顔が白くて死にそうなのに献血が趣味の人。
個性的な人々に囲まれて順番を待つ藤尾。
太った人と白い人の相撲の乱取りを始めたり訳の分からない中、
しゃっくりの人のカウントが100に近づいている。
「しゃっくりを100回連続でしたら死ぬんじゃなかったっけ」
早く止めようと慌てる藤尾。
カウント99・・・
「今の100回目ですよ!!」
止まった。
「合格です」と言い渡され驚く藤尾。
白い人「面接官の江田です」。しゃっくりの人「面接官の高橋です」。
太った人「・・・外交官の河野です」
コント終了。
藤尾「中学の時は!?」
「えっ?」困惑する江田。
次は中学校時代。
--------------------
ピンスポの中で藤尾独白。
「物事を否定するのが難しく、常に後ろめたかったあの時代!」
体育祭の最中の学校の片隅。
「かったるい」とタバコをふかす藤尾と江田。
100m走者の藤尾の家族は総出で駆けつけて、特に父は応援に熱が入っている。
サッカー部の藤尾は「辞めるつもりだ」と江田に告白。
小さな頃はワールドカップが夢だった。
ジュニアFCのサッカー仲間は、サッカーの名門中学に引き抜かれて1年からレギュラー。
実力はあるのに玉さえ蹴らせてもらえない
普通の1年生扱いの藤尾とは大きく差がついた。
現実を目の当たりにして、夢はワールドカップから中体連へと萎縮した。
「好きな事をずっと好きでい続けるのは難しい」
藤尾の才能を惜しがる江田。
藤尾の幼馴染「実は中学生の時からいいオンナ」ジュンコ(川井)登場。
タバコの吸殻をネタに2人で何を話していたのか言えと南ちゃん風に迫る。
「サッカーを辞める」と聞いて怒るジュンコ。
ジュンコも小学校2年までは藤尾と一緒にジュニアFCでボールを蹴っていた。
初潮が訪れた翌日(早熟すぎる)、
「女の子はワールドカップには出れない」と
彼女もまた現実を悟って、夢を藤尾に託してサッカーを諦めた。
とにかく今は目の前の100m走を頑張ろう。
何かに夢中になっている男はかっこいい、
ジュンコに言われる江田。
決定的に失恋を悟る。
2人と家族の声援の中、トップでゴールテープを切った藤尾。
駆け寄って熱いキスをお見舞いするジュンコ。
藤尾「何するんだ!・・・こういう事は男からするもんなんだ」
ジュンコの唇に精一杯の背伸びで近づく藤尾。
--------------------
次は高校時代。
(独白は誰だったかな・・・)
舞台は修学旅行で訪れた京都。
頭の中は異性でいっぱい!
それぞれに振られて、そうそう上手くは修学旅行カップルになれなかった5人。
京都の寺々を巡って願う事はひとつ。
「彼女が欲しい、恋がしたい、SEXしたいんです!!」
曲とダンス。
ピンスポで江田独白。
いよいよ高校生活最後のイベント、学園祭。
--------------------
物語は第一幕の続きへと時を戻す。
座り込んで悩むゴリ。
オーディションの応募締め切りは2日後に迫っている。
未だ合唱コンクールをとるのか、オーディションをとるのか悩んでいた。
まだ悩んでるのか、と問い掛けるサップ(元・サンコン)。
タマと大輔(元・銀蝿)<でも登場曲は横浜銀蝿>、エディ登場。
最初に決めていた通り合唱コンクール優先でいいと言う者、どちらでもいいと言う者。
それぞれが就職や進学を控えた微妙な時期。
ゴリは「明日決めよう」と逃げ出してしまい、エディは受験勉強のために早々と姿を消す。
残った三人は、BSヤングバトルオーディションの日にエディが言っていた言葉を思い出す。
「どっちでもいい思い出になるよ」
どちらかを選んで後悔するのなら、どちらを捨てても後悔する。
5人の気持ちは決まっていた。
後腐れのない思い出作りのために、合唱コンクールでフィーバー!
タマの指揮、4人のアカペラで「アメージング・グレース」。
-------------------
コンクール終了後、江田は女の子から「意外な一面が見れました」と手紙をもらい、
付き合う事に。
浮かれる江田。
なんでも彼女の好みに合わせる、彼女の理想の男になるよ!と言い、
「なんにも分かってない」と突き放される。
彼女は一人で盛り上がり一人で傷つき、
江田はその後も何度か同じ事を繰り返す。
「記念日に会えないなんて」とふてくされる彼女、
「なんでもないけど声が聞きたくて」と電話してきた彼女に優しくできない江田、
「誰でもよかったんじゃないの、どうして私を選んだの」と問い詰める彼女。
全てが分からなく、面倒になった江田に
昔の姿の家族が、友人が、未来の妻が、子供が、
矢継ぎ早に江田を問い詰める。
周囲の期待、見え始めた現実、ズルく生きる事を覚えた頃、現実に飲み込まれている今。
「誰だよこれ。こんな大人になんかなりたくねぇよ!!」
自分のやりいた事ができている人なんて一体何割いるんだ。
殆どの人は日々の暮らしで精一杯だ!
僕はなんになりたかったんだっけ。
江田はおもむろにかつての友人達にメールを打つ。
「30歳の思い出作りしませんか」
--------------------
最高齢オヤジバンドとしてオーディョン出場の当日。
花束を手にして一人ピンスポの中で長い独白をする江田。
嬉しそうな江田。
「・・・夢を見ていたんだ」
幼稚園の頃から最近までの夢。
オマエは昔何になりたかった?
話したい事がいっぱいあるんだ。
「終わったらいつもの店で」
言い残して舞台へ向かう。
5人
「これが僕の、今まで眺め続けてきた展望だ。
僕は未だここに立ち、一人汗をかいている。
先の事は分からないが、今の自分は満足できる」
あの日写した記念写真が大きなスクリーンに映し出されて
舞台上にゆっくりと下がってくる。
---END---
--------------------
おまけ
千秋楽、舞台挨拶。
J「不器用な5人が集まって、本当にどうなる事かと思ったけれどここまで出来た。
僕らは一回りも二回りも成長できたと思います」
と涙でつまりながら挨拶。
おどける藤尾君。
そこに5輪の花を持ったモリ登場。
一人ずつ花を手渡してハグ。
たまらず5人全員が泣いてしまいました。
河野君には頭をイメージした・・・私にはネギボーズの花に見えましが(笑)
江田君には白い花。
ハヤトさんには何故か菊の花。
モリから挨拶。
初めての試みで様々な苦労があったけど「僕はまたひとつ宝物を手に入れた」
これからもモリプロを続けていきたいと話してました。
「次はもうちょっと小さいところでやろう。声もガラガラ(で後方まで届かない)だし」
全員で手を繋いで礼をしようとするすると、「それはちょっと」と照れる?5人。
モリ「俺達にはこういうかっこ悪い事が似合ってるんだよ」
最後は6人で一礼。
6人の長い挑戦と修行は第一幕を終えたぱかり。